Contrast Love~社長と私~

スラスラっと口から出てきた言葉に、彼女の口が塞がらなかった。



「陽稀さんって……バカ?」

「失礼だな、真面目だわ」



確かにぶっ飛んだ提案かもしれないけど。



「形だけでいいよ。お前が生活しやすいようにしたいだけ」

「………なんでそこまでしてくれるんですか」



なんでだろうな。



「わかんねぇ。でも、純粋に助けてやりたいって思ったからだよ」



相手が誰でも同じことが出来たかは謎だけど。



「…知らない人と結婚するより良いかもね」


しばらく考え込んでいた彼女は柔らかく微笑んだ。


「よろしくお願いします、陽稀さん」

「よろしくな、梨都」