「……さすがにそこまでご迷惑かけられません」

「ここまできて、家出少女を放っておくつもりはないんだけど」

「う"………」



しばらく黙りこくった彼女は、隣に座る俺の方を向いた。



「生活費とかどうすればいいですか」

「んー、家事やってほしいかな。それでチャラ」

「か、家事ですか?」



この通り、自宅と言ってもホテル。


仕事やらなんやらで、まともに生活出来ていない。


食事は外食ばかり、洗濯はホテルのクリーニングにこっそり頼み、掃除もやってもらう。


生活感の無さにうんざりしていた。



「生活感ある暮らしがしたいんだよね」

「なんか、宿泊客みたいな生活してるんですね…」

「そう。家政婦になれって言ってるわけじゃないよ、むしろ奥さん的な」

「お、くさん…」


お、めちゃ動揺してる。




「で、引き受けてくれるんでしょうか」

「………私で良ければ」



はい、決定〜