ゲーセン。
俺たちの街で一番大きなゲームセンター

「懐かしいだろ?」

中学の時寄り道したゲーセンだ

「…うん」

未来は目をキラキラと輝かせている
俺たちはまるで引き込まれるかのように足を踏み入れた


爆音が俺たちを一気に包み外の世界から隔離されたような気分に陥る

寧ろそれが心地いい

「…UFOキャッチャー」

俺は1つのUFOキャッチャーに近づいてお金を入れた

位置
アーム
引っ掛ける場所を的確に考えてボタンを押す

カタンと景品が落ちたのは一瞬だった


「…これ、やるよ」


取った景品を無理やり未来の掌に乗せると


「すごい…」


未来はキラキラした目で俺を見つめる

中学のときからよく来て練習してた、なんて恥ずかしくて言わないけど

その嬉しそうな表情が
今までやってきた事が無駄じゃなかった

馬鹿みたいに嬉しくなる