「…な、なに頼もっか」

顔を真っ赤にして話をそらす未来が可愛くてつい頬が緩む

…可愛いなぁ

「なんでもいーよ、お前はなにが好きなの」

机に肘をついて未来を見つめる

「んー…」
注文票を見る未来の表情はもう既に真剣で
更に可愛いなぁと思ってしまう

「いちご…んーチョコ?」
ブツブツ呟く言葉はアイスの種類に迷ってるらしく

「ん?なに?」

「えっとね。いちごミルクとチョコレート&ナッツっていうので迷ってて…」

真剣な表情につい笑みが溢れて俺は店員を呼んだ

「えっ…ちょ、まだ…」

焦る未来を置いて俺は注文票を指差しながら注文する

「えーと。このいちごミルクとチョコレート&ナッツ1つずつ下さい」

「えっ!?」

硬直する未来
ぷっと笑いが溢れる

「他は?なんかいる?」

笑顔のまま問うと未来はフルフルと首を横に振った

「以上で」

アッサリと注文を終え
正面に向き直ると未来が頬を膨らませて俺を睨む

「悠くんはなにも頼まないの?っていうか私2つも食べれないよ」

ほんとこいつは可愛い
なんだよこの小動物的な生き物は

「半分こにしたらいいだろ。たまたま俺の好きなやつだったし」

…嘘だけど
別になんでもいいんだけど。

「え、あ…そうだったの?」
未来がポカンとした顔で俺を見る

………単純!

めっちゃ単純。

また好きだと実感する



アイスは俺が言った通り半分こにして食べた




「…お金は割り勘で。」
レジの前でそういう未来に頭を抱える

「…た、頼むから…俺に払わさせて」

きょとんとした未来の方に触れて財布を取り出す

「なんで?」

「デートは男が出すもんだよ!」

2人の会話を聞いてレジの人が笑いを堪えている

…こういう所は…困る