「あ、悠くん!どうしたの?」

未来は笑って俺に手を振る
傷は大した事なくて
軽い骨折






きっとそうなる
って…思いたかった







目の前に横たわるのは確かに
俺が好きになった人

想像したように笑って手を振ってくれることはない


意識不明はそのままで



目を閉じて身体中に包帯が巻かれている

ただの骨折なんかじゃないレベルだ





「未来」

手を触れて握る
柔らかくて温かかった

…生きてる

その実感が俺を安堵させた



ふと急に

ガラリと後ろの扉が開いた


「誰?」