そんな時、僕の後ろから、ドンッと誰かがぶつかって来た。


その拍子に掛けていたメガネが落ちた。


「あ、ごめん。」


ガタッ


僕は、メガネは拾わずに、美羽の傍に行く。



「拓磨くん…?」



「ねぇ、誰の許可で美羽のものに触ってんの?
美羽のケータイ、さっさと返してくれない?」


美羽に一番近ずいて、ケータイを触っていた、クラスメイトに冷たい笑顔で言う。


「美羽も、なんで簡単に僕以外の人に渡すの?」


「ご、ごめんね…」


「美羽には怒ってないから、さっさとケータイ渡してよ。」



僕が怒っているのが分かったのか、サッとケータイを渡してきた。


「最初からそうすればいいのに、バカだよね。」


「美羽はなにが分かんないの?」



「うーんと…えっと…ほとんど全部?」


「…


じゃあ、僕の番号入れといたから、ここ押せば僕に繋がるから、家帰ったら掛けてきて。」



「うん!わかった!拓磨くんありがとう。」



美羽にそう言われて、僕はメガネを掛けて席に戻る。