「そりゃあ、あんたが悪いよ」



昼休み、同期の春日野 華絵(ハルヒノ カエ)とお昼ご飯を食べながら私は専務への愚痴をこぼしていた。



「華絵ちゃあああん」



「はいはい、いいからお昼食べな」



決して甘やかしてくれる性格ではないけど、凄く優しいと思う。多分。




でもさ、と春日野は続ける。




「あんたさ、もう入社何年目よ?社会人何年目よ?電話の一本や二本パパっとうまく捌きなさいよ。」



「華絵ちゃん辛辣加減は今日もご健在で…」



「話を聞きな。」



「はああい」



華絵ちゃんは、決して私の名前を呼ぼうとしない。



いつも、''あんた'' か ''ねぇ'' で私を呼ぶ。




それが何故かは知らない。




何となく、聞かない。





「ねぇでもさ、?」



「ん?」



あ、今の ん? は優しい ん?だ。




「ううう…」




「なによ。」




「ふたりきりの時は優しいって思うんだけど華絵ちゃんはどう思う?」





それを聞いた華絵ちゃんは唸ってしまった。