「そうだよ、いるよ、赤ちゃんいるよ!
でも、私たちが付き合ったばっかりの時、デート中にすれ違った小さい子を見て私が『可愛い』って言ったら『俺はガキは苦手だ』って言ってたじゃん!!」
優太はいつもはあまり表情が見えないのに、珍しく驚いた表情を覗かせた。
そして、ふ、と笑うと
「自分の子供が嫌いなわけないだろうが。バカか。」
いつもの優太に戻った。
「ゆゆ。」
「ん…、?」
「3人で、決して裕福とは言えなくても、幸せな家庭を築こう。」
決壊した。
決壊したダムみたいに涙が止まらない。
「俺の重荷になるとか、迷惑かけるとか、そんなこと考えなくていいんだよ。だからさ、」