「この給料泥棒が。ちゃんと働け。」




「は、はっ、働いてますよ…っ!!」




「そうですね、ちゃんと海原さんは働いてますよ。ね?柳さん。」




「え、っ?私? あ、っうん、そうだね、働いてます、しっかり働いてくれてます。」





「ほら見ろおおおお!!!」





「お前はいつそんなに偉くなったんだ?ん?」




「ひぃえええええ」






鬼のような悪魔のような笑顔にそこに居た3人全員が震え上がった。





「にしても、この量多すぎねー?」




「あっ、なんか半休の方とか、デートの方とか多くて。」




「あ?デートだあ?
んなもんおめーもあんだろうが、」





「ええっ!?私デートの約束なんて…」







『今日の夜、19:00にホールで待ってる。』







朝の彼の言葉を思い出した瞬間に私はさぁーっと青ざめた。





「やっば…」




「おめーは誰を待たせてんだ、ん?」




「ごめんなさい、仕事終わらなくて、!」





「見りゃ、分かるよ。」




「ですよねー…」





ははっと苦笑を零しつつ横目で瀬津さんと柳さんにSOSを求める。




が。




2人とも微妙な顔をして




「僕、帰りますね、」




「あ、私も…」





風のように…いや、嵐のように去っていった。





「嘘でしょ…」