「むうううう」

「何その可愛くないの」

ちょっと、樹里さん。
私に対して当たりきつくないですか?
いつも通りだけどさ。

「まぁ、蒼井、呼び出されちゃったもんね」

そうなのです。
今はお昼休み中でね、お弁当を食べてるゆまくんを眺めながら自分のお弁当食べてたら、ゆまくんが女の子に呼び出されてしまったのです。

ゆまくんモテるんですよ。
前にも言った気がするので、改めて言いますよ。
印象はクールな一匹狼なんですけどね、
見た目がね、ゆるふわボーイなんです。
それはもう身長は180近いんだけど、髪の毛はくせっ毛なのかふわふわした栗色で顔つきもちょっと柔らかいんですよ。
クールなんで伏し目がちなんだけど。
見た目とのギャップにクラって来る女子が多くて!

樹里とはまた違うカッコよさよ。
私こんなにキャーキャー言うタイプでもなかった気がするんですが…

…恋って女の子の性格までもを変えてしまうんですね!!!(錯乱)

それにしても、

「なんであんなにカッコいいんだろ」

「いや、知らないよ」

ゆまくんを思い出しながらニヤける私に、苦笑いしながら、知らないと冷めたことを言ってくる樹里。
でもね、樹里。
人のこと言えないんだぜ。

「樹里だって、ちーくん大好きなくせに」

突然の私の発言に、吃驚して目を見開く樹里。
してやったりとドヤ顔して見せる。

「別に好きなわけじゃ…」

と、少し顔を赤くする樹里。
そういう所は可愛いんだよね。

あ、ちーくん、えっと、雨宮千尋くんとは、ゆまくんのお友達?って言うかちーくん曰く、親友で、本人に直接言ったら拗ねられちゃうんだけど、女の子に間違われちゃうくらい可愛い。
そして、そんなちーくんのことを樹里が好きみたいなんだけど、

「そかそか」

なんて、樹里の反応を見てニヤニヤして言ってみる。
いつもの仕返しだよ。