一番目は、ベビーピンクの折りたたみ式。開いていた画面を折りたたむと、オフィスビルの窓明かりみたいなドットが日付と時刻を表示させた。サイズが不釣り合いなぬいぐるみをたくさんつけたそれは、最早凶器足り得た。

二番目は、メタリックピンクでスライド式。カメラの機能が上がって、たくさん写真を撮った。印刷は一枚もしたことがないし、しようとも思わなかった。

三番目は、それまでよりも大きな画面を持つくせに「スマート」な奴だった。すぐに充電がなくなるから、新しくなった環境でも充電箇所を誰よりも知ることになった。

四番目は、とっておき。時計も、カメラも、何もかもが今までを越えた。透明な液晶は指で押しても虹色に歪まない。でもそれ以上に、「既に読んだかどうか」が判るようになったことが一番大きかったように思う。


いつだって、携帯電話はそこにあった。