わたしの存在に気付いて慌ててベッドから体を起こした善雅くんに、


「起きて平気なのっ?」


傍にあった椅子に座ったまま顔を覗き込んで様子を窺った。



「なんでここにいんだっ?」


「えっ? あ……城崎くんから聞いたの。気になったから様子見に来たんだけど……ごめんね」



こんな風に寝てるところにまで来て、未練がましいって思われたかな……。


でも、本当に善雅くんのことが心配だった。


「城崎くんが起きたら呼んでって……。わたし呼んでくる」


「っ!」


善雅くんの目が覚めたなら、いつまでもわたしがここに居る必要はなくなった。


善雅くんだって、わたしに居られたら迷惑だろうし……。


だからこう告げて椅子から立ち上がったわたしの腕を、何故か善雅くんが咄嗟に掴んで引き留めた。


「どうしたのっ? 苦しい?」


善雅くんのいきなりの行動に、わたしは思わず心配になってまた彼の顔を覗き込んだ。