気付くと愛夏ちゃんの病室に着いていた。
中へ足を進めるが、
その先には浅香先生が居るだけ。
浅香先生に状況を詳しく説明してもらい
楓や彰、手の空いている医者や看護師に
手分けして病院内をくまなく探すように頼んだ。
ーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
しかし、愛夏ちゃんは何処にも見当たらなかった。
最後に俺は、病院の受付のスタッフにダメもとで聞いてみた。
すると、意外な答えが返って来た。
受付のスタッフの話によると、
お昼前に愛夏ちゃんの娘だと言う
スーツケースを持ったスーツ姿の男性が
病室の場所を聞きに来たと言う事。
愛夏ちゃんの里親では無さそうだ。
その男性の容姿は、高身長で
目の下にホクロがあったらしい。
( ……ん?目の下にホクロ。
いやいや、気のせいだよな。
目の下にホクロがある人なんて
探せば何処にでもいるもんな。
まさか、あいつな訳ないよな。)
ふいに自分の過去の記憶を引き出し
あの日の光景がフラッシュバックする。
いけない、いけない。
そう思い無理やり意識を現状に戻す。
(とりあえず早急に、児童相談所の篠田さんに確認した方が良さそうだな。)

