授業終了のチャイムの音が鳴り、僕はその音で目を覚ました。
「次は集会だから、昼休み終わるまでには整列完了しておけよ」と先生は言った後、教室を出て行った。それと同時に、周りの人は「授業眠い」だの「お昼どうする」だの話し始めた。
　普通の高校生なら近くの友達と会話をしたり、席を立ち、学食に行くが、僕は一通り教室を見渡した後、カバンからスマホと弁当を取り出し、スマホで流行りのパズルゲームをしながら弁当をもくもくと食べ始めた。
　僕には友達がいない。友達がいないといっても、いじめられているとか無視されているわけではない。去年の高校に入学したての時期は友達もいたが、うまくなじめず秋くらいには独りになっており、その状態が2年生の現在でも続いている。
一人になりたては、自分がいなくても何事もなく流れるモノクロの世界を感じ辛いものもあったが、今ではそのモノクロの世界に慣れてしまって、そんな世界を苦痛に感じることもなくなった。