僕、青田祐樹は今まで自分の事、ましては心の色なんて考えたこともなかった。愛璃に出会うまでは。

「学校ってどうしてこんなに退屈なのだろう」
 先生の話を頬杖をつき、聞き流しながら考えていた。先生と目が合うのを避けるために教室を見渡してみると、スマホを操作してたり、後ろの人と話ししてたりと誰一人先生の話を聞いてはいなかった。ふと窓から外を見ると、校庭で体育の授業なのか、楽しそうにボールを蹴っている生徒たちがいた。ふと少し強い風が吹いて、校庭の周りにある桜の葉が舞い、視界にきれいな桜色が広がった。
前に視線を戻すと、先生が相変わらずよくわからない話をしていた。「早く終わらないかなぁ」と思いながら、僕は目を閉じた。