「たく、くだらねぇ事で転移魔法陣まで使わせやがって…要人警護の話もナシな、ナシ」

リュートは裸足の足をペタペタと鳴らして歩いて行く。

その背中に。

「リュート・グリフィノーといったか」

声をかけたのはダンドリッジだった。

「素性は知らんし、感謝もしていない。ただ、俺の顎に一撃を入れた代償は高くつく…二挺拳銃の弾倉が空になるまで撃ち尽くした後、干からびるまで血を吸い尽くしてやる…努々夜歩きには気を付ける事だな」

「うえっ、怖ぇ怖ぇ」

体を抱き締めるような仕草で、おどけて見せるリュート。

そんなリュートに。

「あ、あのっ」

今度はベルが声をかける。

「わ、私は感謝してるから…揉め事解決してくれて、有り難う」