雪村、佐助、ベル。

その場にいた者全員が、その光景に驚愕する。

特にベルの驚きようは大きい。

自覚はないが、結果として自分が使役している吸血鬼ダンドリッジ。

ハンドキャノンのような二挺拳銃を操り、闇夜を舞い、体を蝙蝠に変化させる彼が、不意を突かれたとはいえ膝をつくのを堪える姿など、今まで見た事がなかった。

あのダンドリッジに一撃を与えられる者がいるのか。

あの青年、一体何者だ?

「お、お見事、リュート殿!」

まだカスール弾のダメージから回復しない佐助が、膝をついたまま声を上げる。

己が刃を掠めさせるのが精一杯だったダンドリッジ相手に、明確な一撃を打ち込んだ。

流石、剣を使わないとはいえ、あのグリフィノーの…。