「チッ…」

青年は舌打ちした。

こんな真似ができるのは、皇都でも多くはいない。

この惑星の戦闘に、銃器による超々長距離狙撃、スナイパーという概念を持ち込んだ張本人。

元地球ロシア大統領直属のインフィニティセクターエージェント、リプニー・グリフィノー。

今では皇都随一の狙撃魔銃の使い手だ。

《何が長き放浪の末に鍛えた練功よ、たった2日程度の家出でしょ、だって》

爆裂徹鋼焼夷弾に宿っていたフラウが、リプニーの伝言を青年に伝える。

「ケッ、余計な事しやがって、リプニーばばあ」