「前線に大型の魔物出現との報!自警団が突破されそうです!」

家臣が大声で告げる。

「おぉ?俺らの出番かあ?」

「じゃあちょっと仕事してこようかなぁ」

リュートとティグルが、意気揚々と陣を出て行く。

遠くに、砂塵を上げて猛威を振るう巨竜の姿が見えた。

だが2人の顔に、脅えの色は微塵もない。

「これが終わったら、嫁と子供連れて飯食いに来いよティグ。古奈美の手料理うんめぇぞぉ?」

「お邪魔させてもらおっかな。何なら久し振りにみんなで天神に行く?」

「おお、悪くねぇな」

歩みから駆け足、やがて高速歩法へ。

2人は巨竜に突進していく。

「グリフィノー拳闘術・雷災の型で時間稼ぎ頼むよ!僕がメメントモリで一気に決める!」

「おう、任せろティグ!」