「待て待て!」

リュートが慌てる。

「無茶言うなよ、俺ぁ将軍なんてできやしねぇぜ?政治なんてちっともわかんねぇしよ」

「リュート君に求めているのは、国政や外交力ではないんです」

沖田が言う。

勇者グリフィノー家の出身者、東郷の乱を鎮圧した英雄、ヒノモト国民にも通りがよい。

リュートに求められているのは、内務卿が倒れて不安定になっているヒノモトに、光を差し込む事。

彼にならばついていける、一度ヒノモトを救った彼ならば信頼できるという安心感を、ヒノモト国民に与える事なのだ。

「リュート君が不得手としている事は、私や沖田さん、そしてヒノモト政府の人達が支えてくれます。若いからとか、他星の人間だからとか言う人達からは、私がリュート君を守ります」

ギュッとリュートの手を握り締める古奈美。