予想通り、彼はこういう性格だった。

精霊術が使えなくなったというのは、明らかな弱体化だろう。

ヒノモト内務卿杯武道大会の時より、リュートは弱くなったという事になる。

しかし、それで強くなる事を諦めるほど、リュートは賢くない。

「そんな事よか、今の俺でヒノモトの奴らはいいんかな…」

リュートは古奈美に問い掛ける。

「グンと弱くなった俺に、ヒノモトの連中は、大事な姫様を預けてくれるんかな…もしかしたら許婚解消とかいう事に…いでででで…」

リュートが言っている途中から、古奈美は彼の頬を両手でグイーッと引っ張って伸ばした。

「ヒノモト国民が許婚になった訳じゃありません。私が許婚になったんです。私の伴侶は私が決めます」