和気藹々と会話を交わすリュート達を横目に。

「あの…お母様」

古奈美が蒲公英を廊下に連れ出す。

「ん?どうしたのかな、古奈美ちゃん」

「お母様には、大事なお話がありまして…」

古奈美は言い難そうに、俯き加減だった。

「リュート君…肉体的には、もう心配ありません。徐々に快方に向かっています。拳闘術も普段通りに出来るようになるとの事です。ただ…」

「ただ?」

古奈美のこの不安そうな顔は何だ?

蒲公英の胸の中で、急速に嫌な予感が膨らむ。