朝。

「あ!」

ティグル達がリュートの部屋に行くと、彼は目を覚ましていた。

布団から起き上がり、古奈美に言って新調してもらった空手着に身を包んでいる。

「リュー君!」

古奈美特権のハグを、いともあっさり行使する蒲公英。

「じゃー僕も」

ついでにティグルもハグする。

「放せ」

2人の顔をムギュッと押して、引っぺがすリュート。

「体はもういいのっ?胃癌は?」

「胃癌?」

蒲公英の言葉に首を傾げながら。

「よぉティグル、優勝したんだろうな?」

リュートは問い掛ける。

「えへへ、ごめぇん、ダンドリッジに負けちゃったよぉ」

頭を掻くティグル。

「んだよ、何やってんだよ、だらしねぇなぁ」

苦笑いするリュート。

「んじゃ、ダンドリッジの奴が優勝か?やるなあアイツ…流石偉そうにしているだけの事はあるな」

「で、でも、紙一重だったんですのよ?決してティグル様だって引けは取っておりませんでしたわ!」

アマリリスがティグルにハグする。

ハテナ?

コイツら、何か妙に親密になってね?

まぁいいけど。