花龍が息を飲む気配。

その事だけで、リュートは感付く。

どうやらこの話はタブーらしい。

それだけ、ヴラドを狙っている者は口に出せない相手という事。

「表に出せないような組織の者だとか、この学園の暗部に関わる者だとか?」

「天神学園に暗部なんてないです」

リュートの言葉を、花龍が即座に否定する。

「リュート君の協力が必要な時は、すぐに知らせると言った筈です。今日の所はそれで…」

言いかけた花龍に。

「構わんだろう」

ヴラドは再び椅子を回転させた。

「その無力な平民に教えてやろう。俺を狙う身の程知らずの名をな」