その身には、十数発もの大口径銀製弾丸が撃ち込まれていた。

ダンドリッジのクライム、パニッシュメントに劣らぬ威力の対物狙撃銃。

そんな銃を扱うのは、意外にも聖職者…神父だった。

「14ミリ純銀製炸裂徹鋼弾、弾頭は水銀弾頭だ。この上なく魔物駆逐に適した銃。これ以上の対化物用決戦兵器は存在しない」

神父は白銀の髪を靡かせ、目を伏せる。

「私の祖国には化物は存在しない。吸血鬼、人狼、悪魔、鬼、龍に至るまで、1匹もだ。何故だと思う?」

目を開く神父。

「私が駆逐したからだ。只の1匹も残す事なく。他の惑星はどうか知らんが、私の惑星では、魔物は1匹たりとも生かしておかない。人類の怨敵だからね」

「……」

壁に寄りかかり、血塗れの体を預けるダンドリッジ。

「殺してはルール違反という事だが…構わん。私はこの大会に、優勝しに来た訳ではない。他星の魔物も駆逐する為に来たのだ…来い、我が教会の異端審問官達」

神父の呼び掛けに応じ、4人の修道服を身に付けた男達が、既に蹲って動けないダンドリッジを取り囲む。

「神の御加護の、あらん事を」