両者とも、相手が二段構えで来るとは思いもよらなかったか。

沖田の斬撃は佐助の胸板を、佐助の刺突は沖田の肩口を捉えた。

飛沫を上げる鮮血。

完全に刃はお互いを捉えている。

最早動けまい。

…愛刀を手放し、倒れる沖田と佐助。

息があるのが、奇跡のような必殺の一撃だった。

荒く吐く息だけが、両者の生存を伝える。

これは一騎打ちの試合ではない。

ならば、両者相討ちという結末も致し方なし。

もう一太刀も振るえぬ以上、沖田と佐助の決着はつかず。

そう判断するしかなかった。