「警護は要らん。失せろ小僧。以上だ」

クルリと革張りの椅子を回転させて背を向けるヴラド。

悔しくて、歯噛みするリュート。

「学園長、それでは折角ミルトゥワからやってきたリュート君があまりにも可哀相です」

花龍が助け舟を出した。

「まずはリュート君、この天神学園で学園生活を送ってみてはどうかしら。その間に、もし私達がリュート君の手を借りたいような事があれば、こちらから知らせます」

「ない。無力な平民の手を借りるならば猫の手を借りる」

背を向けたまま言い切るヴラド。

花龍は眉を顰め、苦笑いする。