「ほらほら、貴女達も貴賓席へ」

頭上から声がするので見上げる。

古奈美達の真上にいたのは、アマリリスと大久保の乗る飛行船。

「この大会の為に用意した、貧伝武瑠具號(ヒンデンブルグごう)ですわ」

降ろされた縄梯子を、古奈美とベルは昇っていく。

「ノリノリだね、アマリリスさん…」

ベルが胡乱な目。

「当然ですわ、ティグル様の武道大会優勝を、よりドラマチックに演出する為には、どんな労苦も惜しみませんわ!」

口元に手を寄せ、オホホと笑うアマリリス。

不正八百長だけは、ナシの方向でお願いします。