リュート達の他にも、穢土の城下町には多くの人々が行き交っている。

着物姿の一般的なヒノモト町民の他に、甲冑姿の武者、道着を着た武人、数珠を首に下げた僧兵、中には他の惑星から来たのであろう迷彩服姿の兵士までいる。

武道大会は参加自由、種族、性別、出身惑星すら問わない。

宇宙全土から、様々な腕自慢が集っている。

「星間交流を始めたヒノモトには、まだ見ぬ武芸者が数多くいると専らの噂になっているらしい。それらと手合わせ目的で集まった連中だろう」

ダンドリッジが必要以上に周囲を威嚇しながら歩く。

早くも臨戦態勢だ。

そんな人混みを縫って。

「おーい」

見慣れた大剣を背負った青年が、リュート達に駆け寄ってくる。

「ティグ」

リュートが目を丸くした。

「お前も大会に?」

「うん、僕も招待状貰ったからね、ほら」

内務卿の印が捺された書状を見せるティグル。

「天神学園の生徒じゃない僕は、タイマントーナメント出られないってガッカリしてたんだけど…これでリュー君と試合できるね」