「おはようございます、リュート君。早く顔を洗って来て下さいね。朝ご飯にしましょう」

「古奈美…？」

思わず指差し、頬をヒクヒクさせる。

何、この新婚ホヤホヤ状態。

「鍵は管理人さんにお願いして開けてもらったんです。リュート君、いつも学食でばかり食事しているでしょ？だから、たまにはちゃんとしたもの食べてもらおうと思って。栄養管理も、その…」

自分で言っておいて、古奈美は、かぁぁ…と赤くなる。

「い、何れ妻になる許婚の務めですから…」

「ツマッ！」

愕然とするリュート。

まさか10代で、もうそのような単語を聞く事になろうとはっ！

何だこの愛のよろめき。

額に手を当て、フラフラして、途中ドアの角で頭ぶつけたりしながら、リュートは洗面所に顔を洗いに行った。