天神学生寮、リュートの部屋。

ベッドにうつ伏せになり、涎を垂らして眠るリュートの姿がある。

まだ起きるには早い時間。

ヒノモトでの一件も解決し、平穏な学園生活に戻って来れたのだ。

少しばかりグウタラな朝を送っても罰は当たるまい。

柔らかな日差しの中、葱を刻む音と味噌汁の香りでゆっくりと目覚める朝でも…。

「…味噌汁…?」

リュートは寝癖だらけの頭で起き上がる。

「あ、起きましたか?」

室内の決して広くはないキッチンに、フリフリのエプロンを付けた新妻武装天使姫が立っていた。