「フン」

鼻を鳴らし、ヴラドは背を向ける。

「何だ、真実を告げただけだというのに、俺1人が悪者の様相だな」

さっさと二挺拳銃をインバネスコートにしまい込み、彼は歩いて行く。

「まぁいい。何時の時代、何処の国でも、吸血鬼なんぞは悪の象徴だ。やはり学び舎で、人間と相容れる事などはない。未来永劫な」

そう言って立ち去っていく背中に。

「ヴラド!」

お龍は叫ぶ。

「そんな事言わないで!また貧血起こしそうになったら、私の血を吸いに来るんだよ!」

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