「どれ」

ヴラドは木の上から飛び降り、インバネスコートの中から二挺拳銃を取り出した。

「俺の愛銃でな、マンイーターとソウルイーターという。この国の言葉に訳すなら、『人食い』と『魂食い』だ。こいつらで負け犬の腕前を検分してやろう」

「……」

向き直る闇夜。

「城山流は相手を問わん。刀だろうが銃だろうが、貴様のような化け物だろうが、無手で屠る技を戦国時代から研鑽してきた」

「化け物か。いいね、いいじゃないか闇夜。貴様自慢の関節技とやらで、俺を屠ってみろ」

「関節技だけではない。伝統古武道であった城山流に合理的近代化を加えて発展させた近代祖の兄によって、打撃技も…」

「御託はいい」

ヴラドは二挺拳銃を掲げる。