お龍は剣客警官に憧れ、自分でその制服を作り、着用している。

が、随分と改造しているようだ。

制服の上着はともかく、下はズボンではないし、裾が随分と短く太股の辺りまで露出している。

あれは西洋で言うスカートという衣服ではないか。

この国が文明開化して、まだスカートは伝わっていない筈だが。

偶然、お龍の改造した制服がスカートになってしまったのだろう。

それにしても。

「若い娘が太股を出して歩き回るとはな」

呆れ半分で、ヴラドが木の上から言う。

「ん~?」

その言葉に気付いて、ヴラドの方を見るお龍。

「やーらしー、ヴラドは私のそんなとこ見てるんだ?助平」

「好き好んで肌を露出する、大和撫子の欠片もない変わり者だと言っているのだ」

「へー、異国から来たのに大和撫子なんて言葉知ってるんだ?でも…」

にしし、と笑うお龍。

「私の太股見てる辺り、ヴラドは粋人(ずいじん)なんだねえ」

粋人とは、まぁ、その、アレだ、今で言う『ちょっとマニアックな性癖の人』を意味する。

良い子はあまり深くまで追求しないように。