何だかんだで、リュートはこの仕事を引き受けてくれそうだ。

「それならシオン君やティーダ君にお願いして、手配を進めてもらうわ。蒲公英ちゃんは大丈夫。留学という事で説明しておくから、危ない事させてるって泣きつかれる事もないと思うわ」

「留学ねぇ…」

耳の穴を穿るリュート。

「離宮の地下に、転移魔法陣があるのは知っているでしょう?あそこの利用許可が下りるまで少し待ってね。それまでに、支度を済ませておいてくれると助かるわ」

「転移魔法陣だぁ?」

リュートは前のめりになる。

「おいおい、要人警護って他所の惑星のかよ?皇都内じゃねぇのかよ?」

てっきり貴族かその類だと思っていたリュートは、驚きを隠せなかった。

「誰なんだよ、リプニーばばあの恩師の要人って」