「北斎先生、あの人、人間じゃないよー、オイラと同じ匂いがする―」

一つ目小僧が言う。

「…そうでござるな」

鋭い視線で男を見る北斎。

確かに、人外の匂いがする。

しかし寺子屋の妖怪の子供達とも、また違った雰囲気を纏っている。

北斎の推測でしかないが、もしかするとあの男、異国から来た妖怪の類ではないだろうか。

身に付けている衣服も舶来の物のようだし…。

そう思っていた矢先。

「あぁあぁあぁあぁっ!」

突然、お龍が窓から身を乗り出した。