「言ったでしょ」

リプニーはリュートの顔を見た。

「グリフィノー家の善意の仕事なのよ。勇者として出向く訳じゃないの。だから、勇者の称号を継ぐ気がないと公言している貴方が行ったって構わない。更に言えば」

クスッと笑うリプニー。

「稽古相手が欲しいんでしょう?沢山いると思うわよ。あちらには」

「……」

咀嚼した茶菓子を、紅茶で流し込む。

「分かった分かった。要約すっとこうだ。正式な仕事じゃないから、グリフィノー家としちゃ毛色の違う俺が行っても別に問題ねぇと」

「もう、素直じゃないわね」

苦笑いするリプニー。