「ふふ…ふふふふ…」

うつ伏せに倒れたままの、沖田が笑う。

「黒い炎とは…如何にも厨二病のリュート君らしい技ですね…じゃあ僕が、カッコいい名前付けてあげますよ…」

沖田とは対照的に、戦慄の表情を浮かべた東郷の前で。

「『グリフィノー拳闘術・火影の型(ほかげのかた)』なんて、どうですか?」

「いいね」

幾重にも連なった、陽炎のリュートが笑う。

「なかなかセンスあんじゃねぇか、沖田。お前も厨二病か?」

「一緒にしないで下さいよ…心外ですね」

目を閉じて微笑む沖田。

「お、おのれ貴様ら…何が可笑しい!」

見た事もない精霊術、そしてそれを併用するリュートの技に、東郷は動揺を隠し切れない。

「可笑しいさ」

リュートは言った。

「さっきまでしたり顔で説教垂れてた奴が吠え面かくのは、見ていて痛快だぜ!」