伊蔵は2人を制する。

「東郷が、古奈美姫との会談に応じると言っている。大久保ではなく、古奈美姫とだ」

「…私は用済みのようだな」

警察官数名に囲まれ、踵を返す大久保。

「すまない。貴女の細い肩にヒノモトの命運を預ける事になりそうだ」

「お気遣いなく。私も将軍の娘ですから」

大久保の言葉に、古奈美は微笑んだ。

通されるのは、古奈美と護衛の沖田のみ。

ダンドリッジ、ベル、そして警視庁剣客警官隊は城門前に残り、伊蔵に案内された2人だけが、城へと向かっていった。