別に何も疚しい事はない。

ないのだが。

「何で逃げるんですかっ!」

走り出した沖田に、古奈美、ベル、ダンドリッジの3人も続く。

「いや、何というか」

走りながら苦笑いの沖田。

「僕、人斬りじゃないですか、人相覚え(指名手配書)でも出回ってるかなと思うと、つい…」

「条件反射で逃げ出したという訳か。後ろ暗い人生は送るものではないな」

言いつつ、一緒になって逃げるダンドリッジ。

何にせよ、先を急ぐ彼らに、警察の厄介になっている暇はない。

争う事も避け、逃げおおせるのが一番の得策だった。