敏悟を出て、永門(ながと)藩に入った。

ここから海を越えると、いよいよ佐津間のある九集(きゅうしゅう)地方だ。

「それにしても長旅ね…私達の惑星で、徒歩で日本の半分を縦断しているようなものだもんね」

ベルの顔にも疲れが見える。

「ごめんなさいベルさん…ダンドリッジ先生も…」

「あぁぁ、古奈美ちゃん、別に文句言った訳じゃないの!一般論としてね!」

「そんな事はどうでもいい」

慌てて弁解するベルと古奈美を他所に、ダンドリッジは一歩前に出る。

既に永門の最南端。

断崖から海を臨む場所だ。

「海を渡るとなると、当然俺の飛翔で、という事になるな。また夜まで待つか?それとも時間が惜しいなら今すぐにでも行くか?」