そんなリプニーが、リュートに歩み寄る。

「退屈してそうね、リュート君。離宮での稽古はつまらない?」

「ああ。荒野に出て行きゃアンタがチョッカイ出して稽古にならねぇし、アンタ相手の稽古じゃコテンパンにされちまうからな、リプニーばばあ」

リュートは顔を顰める。

携行砲という得物は、射撃一辺倒の武器ではない。

銃身の強度を上げる事で、リプニーは長尺の携行砲を槍や棍のように扱って中距離から近接での戦闘も行う。

懐に入り込めば楽勝。

そう思ってリプニーを嘗めてかかったリュートは、以前携行砲で滅多打ちにされたものだ。

「あーあ、何でこの皇都にゃ、俺に最適の相手がいねぇのかねぇ」

両手を頭の後ろに組んで、リュートはぼやいた。