ともあれ、そのスーパーヒーローを生で見られるとあって、特設広場は黒山の人だかり。

特に飾るでもなく、いつもの重苦しいインバネスコートでダンドリッジが出てくると。

「あれが天神のバットマンか!」

「背ぇ高い!」

「何だかニヒルな感じね!」

「あのダークな感じが、バットマンの名にピッタリだね」

「吸血鬼っていうのもイメージに合うわぁ」

意外にも来場客は彼を好印象で受け入れる。

「ほら、バットマンだよぉ」

若いママさんが、我が子をダンドリッジの前まで連れて行く。

途端に子供ガン泣き。