蒲公英がティーダのグリフィノー家に嫁ぐには、その禿鷲が関わっての紆余曲折があった。

…龍一郎一味在学中の修学旅行の際、彼らはミルトゥワに訪れ、その旅先で龍一郎が禿鷲に肉体を乗っ取られた時期があったのだ。

魔族の王以来の災厄かとさえ危惧された事件。

実際はミルトゥワに大きな被害は及ぼさなかったものの、その事件を収束させる為に尽力した他の一味の面々は少なからず傷を負う。

そして、その龍一郎の妹が蒲公英だという事が知れ、ミルトゥワでは物議を醸したのだ。

龍一郎の誠心誠意の謝罪、ティーダの説得により、蒲公英は晴れてティーダとの婚約をミルトゥワの民全員に許された。

災厄は災厄。

禿鷲の悪名がミルトゥワにも轟く、大きな事件であった。