まぁ、悪さをしそうにないなら放っておけばいい。

見るからに人畜無害そうな少女だし。

気にする事もなく、ペタペタと少女の脇を通り過ぎて行ったリュートは。

「……お前誰?」

振り返って訊ねる。

「……」

無表情で、穴が開くほどリュートを見る少女。

凝視するその瞳からは、ビームでも出そうだ。

ややあって、彼女は名乗る。

「雄鶏絶対殺すマン」

「……」

不思議ちゃんかコイツ。

怪訝な表情を浮かべるリュート。