「リュート君は今頃、故郷で羽を伸ばしていますかね。ミルトゥワでしたっけ」

古奈美が呟く。

「故郷ですか…では、お兄さんにも会っていますかね。ティグル君…でしたか」

清光を納刀し、沖田は首にかけた手拭いで汗を拭いた。

「彼とはもう一度手合わせしたいなあ。今度は弟の敵討ちみたいな余計な感情を差し挟まない、素の彼と」

「沖田さんはティグル君がお気に入りなんですね」

クスッと笑う古奈美。

「ティグル君もですが…そう、彼の持つあの剣…レーヴァテイン…」

「…?…レーヴァテインが、どうかしたんですか?」

「ええ」

沖田は微笑んだ。

「魅力的ですよね、『彼女』…色んな意味で」