天神学園校庭、体育倉庫の裏のスペースに立てられている巻き藁。

その巻き藁目掛けて。

「ふっ!」

沖田が加州清光の切っ先を突き立てる!

彼の剣技、百舌連が多数を相手する技ならば、これは一対一を意識した技。

戊辰大戦の時でも、滅多に見せる事はなかった。

「それは何という技なんですか?」

「…絶刀(ぜっとう)といいます。『絶』は、奥義に位置するような技に付けられる言葉です。こちらの世界の中国拳法でも、奥義は『絶招』と呼称するそうで」

振り向いた沖田の背後には、古奈美が立っていた。

「どうしてこんな場所に?体育倉庫の裏なんて、僕みたいな変わり者か不良くらいしか来ませんよ?」

「リュート君がお休みでつまらないんですよ」

古奈美は苦笑いした。