当面の危機は脱したか。

3人は場所を移動する。

リュートとベルの傷の手当てもしなければならない。

…だが、忘れてはいないだろうか。

ここは1対1の決闘の場ではない。

合戦場だ。

「いたぞ」

廊下の突き当たりから、仕込み刀を手にした複数の男達が姿を現した。

見廻組の隊員達。

何せ200名もの数だ。

天神学園の猛者達が対処しているとはいえ、取り逃がす事もある。

「あそこに倒れているのは隊長かっ?」

「馬鹿な、女子供に佐々木隊長が負けたのか?」

ざわめく隊員達。

動揺は、すぐに怒りに変わる。

結界を反応させない、静かなる憤怒と殺意…。