「思春期特有の、青臭い友情って奴ですかねえ…」

困ったように、頭を掻く佐々木。

「よし、それじゃあこうしましょう。私、姫君の事は諦めます」

彼は人差し指を立てる。

「その代わり、リュート君がヒノモトに来て、新しい幕府を立ち上げて下さい。何、君は何もしなくていいんです。ミルトゥワのグリフィノーの正統な血筋ならば、立派な象徴になる」

「…黙って担がれろってのか、俺に」

「ええ。後は我々見廻組が、維新政府軍を一掃します。それで君は、ヒノモトの新たな将軍になれるんです。その若さで、惑星の王になれますよ?」

「クソ食らえだ」

またもリュートは間髪入れずに即答した。

「戦争できれば何でもいいのかよ。そんな連中に担がれてやるほど、俺は安くねぇよ」

「……困った人ですねえ」

一際深く溜息をついた佐々木は。

「今、選ばずに通り過ぎた分岐点は、絶対に後悔する事になりますよ?」

再び刀を構えた。