「そもそも考えてもみなさい」

佐々木は棒立ちのまま言う。

「リュート君、君はミルトゥワのいいとこの出でしょう?グリフィノーっていったら、皇族や貴族みたいな扱いを受ける事もあるって聞きましたよ?黙ってても人生を保障されたような家柄じゃないですか。そんな人が、何だって他所の惑星の姫様の行く末に首を突っ込むんです?」

「仲間だからだ」

間髪入れずに答えるリュート。

「あのねえ…」

糸目のまま、溜息をつく。

「君、天神学園に転校してきてどのくらい経ちました?姫様と知り合って何日経ちました?」

「そのたった何日の間に」

リュートは佐々木を睨む。

「古奈美は俺に天神学生寮の事色々教えてくれた。自警団のイザコザ一緒に解決した。夏祭りで一緒にチンピラやっつけた。学食で一緒に飯も食った」

「それだけでしょう?」

「それだけで」

リュートの眼力が強くなる。

「古奈美は仲間だ。体張る理由になる」